精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方へ
精神障害者保健福祉手帳とは?
精神疾患があることを証明する手帳であり、この手帳を持つことで医療費の助成や公共料金の割引、自治体や事業者が提供する独自の支援など、さまざまなサービスを受けることが可能になります。
精神障害者保健福祉手帳は申請したほうがいいの?
精神障害者保健福祉手帳を取得することで、多くの支援を受けられるため、申請をおすすめします。デメリットはほとんどなく、生活の質を向上させるメリットが多い制度です。
精神障害者保健福祉手帳を取得するメリット
- 料金の割引や助成
自治体や事業者によって異なりますが、医療費の助成や公共料金(携帯電話料金、NHK受信料、上下水道料金など)の割引が適用されることがあります。 - 税金の優遇
所得税、相続税、贈与税などが優遇されるほか、自治体によっては自動車税などの「地方税」も減免される場合があります。詳細は各自治体に問い合わせるとよいでしょう。 - 「障害者雇用枠」への応募が可能
就職の際、「障害者雇用枠」へ応募できるようになります。これにより、体調や症状に配慮を受けながら働くことができ、就職支援制度の利用も可能になります。
精神障害者保健福祉手帳がないと障害年金の申請はできないの?
いいえ、精神障害者保健福祉手帳がなくても障害年金の請求は可能です。
精神障害者保健福祉手帳と障害年金は全く異なる制度であり、申請方法や審査基準、等級の基準も異なります。
また、精神障害者保健福祉手帳の等級と障害年金の等級は必ずしも一致するわけではありません。それぞれ別の基準で認定されるため、障害年金を申請する際には個別の審査を受ける必要があります。
どうやったら障害年金を受給できるの?
障害年金の請求は、お住まいの市区町村役場または最寄りの年金事務所で行います。しかし、以下の3つの要件を満たしていなければ、障害年金を受給することはできません。
① 初診日要件
障害の原因となった傷病の診断日が、国民年金または厚生年金保険の被保険者期間中であること。
② 保険料納付要件
以下のいずれかの条件を満たす必要があります。
- 初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料納付済期間(厚生年金・共済組合の加入期間を含む)と保険料免除期間を合わせた期間が3分の2以上であること。
- 初診日が令和8年4月1日より前であり、かつ初診日に65歳未満である場合、初診日の前日時点で、初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がないこと。
③ 障害状態該当要件
障害年金を受給するには、以下の等級基準に該当していることが必要です。
障害等級 | 基準 |
---|---|
1級 | 日常生活のほぼ全てに介助が必要なレベル |
2級 | 日常生活に著しい制限を受けるレベル |
3級(厚生年金のみ) | 労働に制限を受けるレベル |
障害年金の申請は大変?
障害年金を申請するには、多くの書類が必要です。特に、医師の診断書は、受給の可否や等級の判定に大きく影響します。
もちろん、ご自身で申請することも可能ですが、病院や年金事務所に必要書類を取りに行ったり、見慣れない資料を揃えたりするのは手間がかかります。特に、初診日から長期間が経過している場合は、過去の情報を整理するのも負担になることがあります。
このような負担を軽減するために、専門家に相談することをおすすめします。
最後に
精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方や、手帳の申請を考えている方の中には、「障害者手帳がないと障害年金は受給できない」と誤解されている方が多くいらっしゃいます。
また、ご自身で障害年金の請求を試みたものの、手続きが予想以上に複雑であり、最終的に社会保険労務士に依頼するケースも少なくありません。
当事務所では、障害年金の申請に関する無料相談を行っております。障害年金を受給できるかどうかお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。